日経テクノロジー 未来展望(9)
米Apple社の「A5」「A8」プロセッサーの広がり
ハイエンド、ミドルレンジ、ローエンドを考える
米Apple社が初めて独自のアプリケーションプロセッサーを製品に投入したのは2011年のことだ。同社自身が設計・開発を行い、韓国Samsung Electronics社の45nmプロセスで製造した、「A4」と呼ぶプロセッサーだ。A4プロセッサーは、Apple社が2011年に発売した多くの製品に採用された(図1)。まず登場したのが初代の「iPad」で、その後、同じチップが「iPod Touch」「iPhone 4」「Apple TV」にそのまま採用された。A4のチップセットに大型ディスプレー用のコントローラーを加えたものがiPad、Ethernet端子を加えたものがApple TV、移動通信用のチップセットを加えたものがiPhone 4である。4製品とも基本的に同じチップセットを用いたことで、すべて同じOS(iOS)が動作した。